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循環器系の疾患/心血管系の検査/呼吸様式の観察

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呼吸様式の観察

  • 呼吸困難になると、動物は不安状態を呈します。努力呼吸を行って、外鼻孔が発赤し、呼吸促迫が明らかになります。呼吸困難の重症化を注意深く観察することは重要です。
  • 過呼吸(深い呼吸)は低酸素血症やアシドーシスが原因です。
  • 肺水腫やその他の肺浸潤の病態では、呼吸が速く浅く(頻呼吸)なります。呼吸数の増加は肺水腫の早期発見の指標になるので覚えておきましょう。
  • 重度の胸水やその他の胸腔疾患(気胸など)では、胸郭運動が増強されます。
  • 延長した努力性の吸気は、上部気道疾患(閉塞)に伴って見られることが多く、延長した呼気は、下部気道の閉塞や肺水腫を含む浸潤性肺疾患によって生じます。
  • 重度に換気が障害された動物は、横臥位や伏臥位、仰臥位になることを嫌がります。しんどいのに横になれなくて、立位や坐位の状態を取ります。横になったり、伏せたりすると、胸が圧迫されて呼吸ができないためです。
  • 猫においても、呼吸困難の場合、坐位の状態でうずくまります。特に、開口呼吸は猫においては重度の呼吸困難の徴候です。

呼吸数の増加は、興奮、発熱、恐怖、疼痛でも起こりますので、心原性の呼吸困難との鑑別診断は重要です。