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運動器系の疾患

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運動器系の疾患

筋肉の疾患

筋組織は、姿勢と運動を維持するように機能します。全身性の筋疾患の症例では、虚脱を示します。強張った歩行や竹馬のような歩行、起立時の振戦、頭部の下垂や運動不耐性として症状に現れてきます。神経学的検査を行うと、筋疾患の動物では、正常な姿勢反応を示して、運動失調はなくて、通常は正常な脊髄反射を示します。筋疾患では、筋肉の疼痛や筋の腫脹、筋の萎縮や線維化が起こります。

筋症(ミオパチー)は、遺伝的な場合と後天的に起こることもあります。後天性筋疾患には、代謝性・内分泌性疾患、感染症や免疫介在性の炎症疾患もあります。特徴的な症状があればわかりやすのですが、一般的には、筋生検と全身性評価を行って診断します。代謝性検査は、機能的な異常を証明したり特徴づけるのに必要となります。
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関節の疾患

関節を侵す疾患には、非炎症性と炎症性の疾患があります。非炎症性の疾患には、成長性、退行性、外傷性、腫瘍性の疾患が含まれます。炎症性疾患は、感染性疾患と免疫介在性疾患です。複数の関節に炎症がみられると、多発性関節炎が存在すると思われます。免疫介在性多発性関節炎は、検査と関節のX線検査所見から、びらん性と非びらん性に分類できます。

非びらん性免疫介在性多発性関節炎は、犬で最もよくみられる炎症性の関節疾患です。免疫複合体が、滑膜に沈着して生じる滑膜炎に起因します。免疫介在性多発性関節炎の原因は特定できないことが多くて、特発性に発生しますが、全身性エリテマトーデスに付随してみられることや、慢性炎症や薬剤による抗原刺激が原因で、二次的に起こることもあります。

犬種特異的に、多発性関節炎・髄膜炎・筋炎に関連した疾患がみられます。これらは、遺伝的な背景があると考えられます。
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